著書・「南米のパラダイス・パラグアイに住む」です。それ以前、日本では一般図書としては「パラグアイ」と銘打った本は一般に販売された事は無く、当方の知る限りでは始めてであったと思います。ここでは本の紹介とこの本の経緯を多少説明したいと思います。多くの方にご購入いただきました事をこの場を借りてお礼申し上げます。なお、発売を急ぐ必要があり、校正を十分に行わえず、誤植が非常に多い事お詫び申し上げます。
古本として販売されています ・アマゾンのサイトへ * ここをクリックして下さい。
本は古本として購入出来ます(2008年 1月30日)
この本が発売されたのが1999年、もう9年が経過しました。当然ですが、もう書店にはありませんし、絶版となり注文も出来ません。ただアマゾンで古本として販売されていますので、こちらで簡単に購入する事が出来ます。新本ですと1400円ですが、ここで買えば300円~500円で購入する事が出来ます。
(写真)販売されている本。
南米と言いますと日本ではブラジルもアルゼンチンもパラグアイも一緒、一般の方々には余りよく理解されていないのが実情だと思います。その中でもブラジル、ペルー等の国に関しては観光ガイドブックを始め各種書籍が出ていますが、パラグアイに関しては日本語での一般書籍は見た事がありません。勿論、パラグアイに関しては作者よりも造詣の深い方は幾らでもいらっしゃるのは自明の事ですが、話が当方に巡って来たのでお引き受けし、自分の体験談やエピソードを入れて、なるべく平易にパラグアイ全般に関して説明したつもりです。この本で少しでもパラグアイに関して関心が寄せられれば本望です。
なお、6月末に新聞広告が掲載されています。それによりますと「脱サラした著者がメルコスール(南米共同市場)の真中で経験する楽しい暮らし」となっています。
7・序文ならびに解説
序文は現在の駐日パラグアイ全権大使であります、ミゲル・ソラーノ・ロペス大使(勿論、日本語に訳されています。)、また巻末の解説は元・国際協力事業団パラグアイ所長・上原盛毅氏が執筆されています。
目次
序文・日本とパラグアイの掛け橋・ミゲル・ソラーノ・ロペス駐日大使
プロローグ
第一章・パラグアイってどんな国?
第二章・パラグアイの歴史
第三章・まず身のまわりから・・・
第四章・ゆったり流れるパラグアイの時間
第五章・国と個人とのはざまで
第六章・先立つものは、まずお金
第七章・生活の周囲で気になること
第八章・自動車・汽車など交通に関すること
第九章・集まってワイワイ騒ぐのが大好きなお祭り人間達
第十章・人生は楽しむ為にあるものだ
第十一章・パラグアイ・サッカー事情
第十二章・商売にまつわるお話
第十三章・東アジアパワー
第十四章・教育・マスコミはどうなっているの?
第一五章・街を歩いて気がついた
第一六章・美味しいものがたくさんある
第十七章・食後は甘いデザートで
第十八章・行って見なければわからないパラグアイの名所
第一九章・パラグアイに行こう
第二十章・地球の反対側から見たニッポン
終章・パラグアイ未来に向けて夢を語る
エピローグ
解説・上原盛毅
書評 (99年11月)
雑誌などに書評を書いていただいております。ここに紹介している以外にも幾つか紹介していただいております。この場を借りてお礼申し上げます。
書評-2:LATINA・1.999年11月号・(通巻549号)67ページに掲載(早坂智三氏)
本誌の読者であれば、パラグアイに行ったことはなくてもその音楽を通じて多少は知っているだろう。しかし、一般の人々にとってのパラグアイは必ずしも身近な存在とは言えない。中南米33ヶ国の独立国家の中でもマイナーな存在であることは否めない。 本書はパラグアイに永いこと住み生活している一人の日本人の実体験をベースに書かれたものであり、現在のパラグアイの姿を余すところなく紹介している。日本で唯一のパラグアイ紹介本と言って良いだろう。400ページに及ぶものだが、読者をしてそれを意識せずに最後まで興味深く読ませてしまう。通り一遍の観光ガイドブックは質量とも足元にも及ばない。 今から40年位前は「秘境」という言葉がパラグアイの枕詞としてよく使われた。今でもパラグアイを前人未踏の国というイメージでとらえている人もいるかもしれぬが、近代化の進む国であるということが本書により理解出来るはずだ。日本から見ると地球の反対側に位置するが、日本の新聞やテレビが見られるほど情報も発達している国だ。日本からの組織的な移住が始まったのは1,936年のこと。もう60年以上になる。日本人も約7,000人にのぼる。農業に従事し、パラグアイ国民の食事に豊富な野菜や果物を供給している。今では日本人移住者の作る大豆は日本向けの輸出の第一位となっている。彼らの地道な努力は現地でも高く評価されている。政府レベルでの経済・技術協力を通じて現地の社会インフラの整備や農林業への支援も日本は行っており、両国間の関係は良好である。国民も大変純朴で親切である。対日感情もよく、物価も他の国と比べて安く、治安も良く、住み易い国である。なによりも人生の楽しみ方を知っている国民であり、パーティーが絶えない。まさに、南米のパラダイスと呼ぶにふさわしい国であり、もっと良く知ってもよい国である。スポーツはサッカーが最も盛んで、ワールドカップでチームのキーパー、チラベルの活躍は記憶に新しい。その他、プロ野球ヤクルトの岡林投手、ゴルフ・トーナメントでしばしば日本の新聞紙上に名を連ねるフランコもパラグアイ出身だ。パラグアイの将来に対し、著者はビジネスマンとしての目から、大変興味深い提案をし、南米大陸の中央に位置する立地条件を生かし、南米のコミュニケーション・センターとして国を興そうと呼び掛ける。実現の可能性はとやかく言わず、発想としてはなかなか夢があって楽しい。また、個人所得税のない国で、退職後のシルバー移住国としてのメリットを挙げているが、検討の価値はありそうだ。
書評-1:季刊・海外日系人・第45号・1.999年11月号・103ページに掲載
気軽に読める「パラグアイ案内」出版(「日系ジャーナル」・高倉道夫社長):「南米のパラダイス パラグアイに住む」(アゴスト出版社=本社・東京)がこの8月発行された。執筆者はアスンシオンの田中裕一さん。8月09日、アゴスト出版社の広瀬一郎社長と初版本を持って日系ジャーナル社を訪れた田中さんは「寝転がって気軽にパラパラとページをめくってもらえるような平易な語り口にしました。コパ・アメリカに間に合えば良かったのですが…」田中さんは、パラグアイ紹介のホームページを数年前から開設しており、日本の人達から「パラグアイについては知りたかったら田中さんのホームページを見ろ」と言われる程、充実したホームページを作成していた。先般、開催されたコパ・アメリカでも日本から大挙してサポーター、報道陣が来パして一躍、日本サイドでもパという国が知れ渡った。日本の人達にとってパラグアイは知名度がなく、情報も乏しかった。そんな未知の国パラグアイを知るのに田中さんのホームページは絶好のガイドブックだった。事実、日刊スポーツのホームページ、コパ・アメリカ特集でパラグアイについては田中さんの照会文がメインページを飾った。初のパラグアイ紹介の本格的なこの本を発行したのは、パラグアイ人の奥さんを持つアゴスト社の広瀬一郎社長。海外旅行必携のガイドブック「地球の歩き方」を意識して作った(広瀬社長)というこの本の表紙には。「脱サラ日本人が見た南米共同市場の小さな楽しいラテン国。地球の反対側。緑の国。サッカーの国。美人の国。治安も良くてヨーロッパ的文明生活がエンジョイできる…。ゆったりと豊かな生活が過ごせる。知られざる親日国の全て。脱日本の指針。といささかこそばゆいようなコピーが表紙を飾っている。広瀬社長夫人のアデラ・アマリージャさんは、日本に15年前JICAの研修生として派遣され、順天堂大学で寄生虫学を一年学んだ。広瀬社長はアゴスト出版会社を設立して8年、奥さんの実家ということもあり、パラグアイは8回目。いつかはパラグアイ関係の本を出版したいという希望を持っていた広瀬社長は田中さんのホームページを見て一気に出版の話がまとまり初版8千部。「第二版が出るといいですね。」と二人。なお本書は四六版421ページ、価格本体1,400円である。
・読者からの感想
読者の方から感想をいただいております。ここではその幾つかを紹介します。皆様のご感想をいただければ幸いです。
(感想・1)
「南米のパラダイス、パラグアイに住む」を読みました。明解、平易な文章で楽しく読めました。地球儀を回して見ると正に地球の裏側、全く未知の国だったのですが、おかげで身近な国になりました。温かな目で異文化に接して居られるご様子で、言葉の端はしに田中さんのお人柄が偲ばれます。日本は経済成長の高さを自慢し、一時はアメリカ経済を追い抜いたなどと言う向きも多数おりました。今日はご承知の如くバブル経済崩壊後の低成長が継続し、ああだこうだと騒いでおります。確かに祖父母、父母の世代に比べ、物質的には格段に豊かになりました。しかし、この豊かさと反比例して人と人の距離が遠のき、家庭内においてすら家族崩壊等という言葉を耳にするようになりました。生活を楽しむという雰囲気も薄れてきたように思います。それにつけてもパラグアイでは人々がまだまだ近距離で触れ合っているご様子、うらやましく思います。文明、文化の発展とは何をもって発展というのでしょうか。終わりに若干の注文を二つ。一つは、誤植の訂正です。日本で出版した本としてはやや誤植の多いのが気になりました。二つは、南米のパラダイスの紹介にはそぐはない点ですが、独裁政治、賄賂、不正、アングラ経済等の問題です。もう少し実態を知りたいと思いますが、それもご当地の文化で大した問題ではないのでしょうか。
(感想・2)
おととい本屋で、タイトルに惹かれて「パラグアイに住む」を思わず手に取りました。その著者が田中さんだとは知らなかったんです。はじめは立ち読みで済ませようかと思ったんですが、目次を見て面白そうだったのと、あとは帯の「脱日本への指針」という字を見て買ってしまいました。まだ途中ですが、非常に読みやすいです。色々と考えてしまいます。
(感想・3)
第1章の「パラグァイってどんな国?」に簡単に触れていますが、もう少しちゃんと経済・社会の構造説明や、日本人には想像が難しい「内陸国」のハンディや克服策の解説があれば、パラグァイ人の生活や気質をより理解する上での背景説明になったと思います。また田中さんの夢である、「終章 パラグァイ・未来に向けて、夢を語る」に語られたアイディアが説得力のあるものかは、それのベースの経済・社会の基盤構造と立地条件や国民の資質(教育だけでなく)などの分析がしっかりしているかにより左右されると思うからです。日本との関係で、パラグアイが人口一人あたりの日本のODA受け取り額では、世界で1,2を争うくらい、日本政府が入れ込んでいて、さまざまな経済インフラや技術指導、青年協力隊、社会インフラ施設の建設と運営に協力していることも、触れてほしかったですね。また、私の趣味からいえば、「パラグァイに過ぎたるもの―アルパ」の素晴らしい旋律について、もう少し曲目とともに、紹介して欲しいのです。アルパ(インディアン・ハープはペルー、コロンビア等にもありますが、何といっても音色の美しさと演奏テクニックでは、パラグァイが随一ですから。
(感想・4)
「南米のパラダイス パラグアイに住む」を楽しく読ませていただきました。全体的な印象をどう表現したらいいか、と考えていたところ、上原盛毅さんが解説で「田中さんはパラグアイのあらゆる事象を一定の距離を保ちながら日常生活の目線で丁寧に観察し、暖かく描写しています。」と書かれており、まさしく、これだ!と感じました。つぼを心得た文章とはこういうものと感激した次第です。さて、各パートにつき印象に残ったことなどを思い浮かぶまま書いてみます。(読みにくい表現として「等」の多用があります。何かお役所の文のようで気になりました。あらゆる場合を網羅し、欠陥を指摘されないように官僚の文ではよく「等」を使うようですが。)
・靴みがきの少年がクーバス大統領に付いて亡命した、のくだりには思わず、これぞ南米と感動しました。少年のパスポートはどうしたとかくだらないことを考えてしまうのが日本人(私)ですが。
・NHKに登場した郵便配達人:私もこの時のビデオを持っています。南米とスペイン語に興味を持ち出したちょうどその時期に、「ラテンアメリカ散歩」というこのシリーズが始まり、スペイン語を勉強し始めました。いまでもこの1年間のビデオを時々見て勉強しています。(アシスタントのメルチェさんを見てこんな美しい人はいないと、メルチェさんに“会う”のも楽しみでした。彼女は2年程あとに“フランス男!!”と結婚してしまいました。コノヤローといささか下品に怒りを感じたもの です。
・ロスバルボーサス:ディアナの「りんご追分」をコンサートで聞いたことがあります。感情移入もすばらしく、何故日本でもっと有名にならないのかと思ったものです。そのコンサートにはカロリーナさんという少女もアルパを弾いていました。彼女もすごい演奏家になっているのだろうなと、いつかまた聴けたらと思っています。
・日本橋のパラグアイレストラン:確かに日本橋丸善の近くにありますね。一度行ったことがあります。広いお店ではありませんが、雰囲気がよく、固定客がいる印象を受けました。ブラジル料理やペルー料理と比べるとちょっと高めかな、まだそれほどはやっていないから仕方ないかな、と感じています。
・安曇野のペンション:いつか行ってみたいと思っています。
・テレレ:先日メールした芳本美代子の番組にもテレレが紹介されていました。「よく似た顔でもテレレを回し飲みしているのはパラグアイ人、コーヒーを飲んでいる のはブラジル出稼ぎ」などと解説されていました。「地球の反対側から見たニッポン」は興味ある文ですが、長くなるのでこのくらいにしておきます。
いつかパラグアイを訪れたいと思いますが、5年程は仕事の関係で無理です。その間、田中さんのホームページとパラグアイアルパの演奏を聴いて、思いを馳せることで満足することになります。アルパの音色はすばらしく、もっとこの点を強調したら、多くのギャルを引き 付けたかもしれませんね。この本を読んで、多くの日本人が訪問することを期 待しています。それをきっかけとして、パラグアイだけでなく中南米全体の音 楽や文化に興味を持つ人が増えることも。
(感想・5)
パラグアイって日本ではとても情報の少ない国だと思います。「地球の歩き方」でも20ページぐらいしかないんですよ。ですからプロローグからエピローグまでいろいろな分野について書かれているこの本はとても貴重だと思います。それもお堅い文献というのでなく、語り口調の柔らかい文体ですので親しみをもって読むことができました。”てにをは”が??とか、校正もれ?というところもありましたけど、間違い探しのおまけ付きみたいな感じでしょうか。
※ 誤植が多いという指摘が多く、この場を借りてお詫び申し上げます。