パラグアイに行こう

パラグアイの首都アスンシオン市からの発信です!!

エッセイ・コラム・独り言

アスンシオンの対岸へパラグアイ川に橋を

アスンシオンの対岸へパラグアイ川に橋を架ける際の経済効果はかなり大きいと思います。プロジェクトはもう25年も前から存在しています。アスンシオン、パラグアイの活性化の為に是非とも実現して欲しいものです。

チャコイアスンシオン-チャコイ 架橋計画(ABC コロール紙 他)(2019年 3月 2日)
アスンシオンの中心部とチャコイを結ぶ道路橋のアイデアは、25年以上前に遡る。 Juan Carlos Wasmosy大統領の政府の時代にモデルが提示され、基礎石が植物園に置かれた。今回、公共事業省(MOPC)は、「技術的実現可能性調査は最終段階にある」と明言し今年半ばに入札を行うよう要請した。投資総額は1億8000万ドルに上り、橋へのアクセス並びにロータリーと道路の改良工事にさらに約2000万ドルが必要とされる。

チャコイからアスンシオンを観た景色です。渡しで行く事が出来ます。

チャコイからアスンシオン:目の前に見える

首都、アスンシオンは大パラグアイ全土の中央に位置する中心として君臨していました。ところが今から150年ほど前、日本では幕末明治維新の時代にブラジル、アルゼンチン、ウルグアイ3国と戦争を行い敗戦、その結果として大幅に領土を割譲する事となり、首都アスンシオンの向かい側までアルゼンチン領となってしまいました。現在、アスンシオンの大統領府から一番近い国境まで僅かに5キロほどとなっています。ただし国境は当時のピルコマジョ川とされ、現在は河川改修が進み河口付近はパラグアイ領となり、アスンシオンに近い所では旧河川が国境となっており、狭い蛇行した旧ピルコマジョ川の向こう側はアルゼンチン、フォルモサ州第二の都市、クロリンダ市になっています。

アスンシオン市内の向かいはほぼパラグアイ領内で、少し南に行きますとアルゼンチン領となっています。パラグアイ領内はナナワ、チャコ・イという名称の町になっていますが、アスンシオンとの格差は驚くほど大きく田舎そのものです。チャコ・イからは川の向かい側のアスンシオン市の中心部が直ぐ近くに見え、渡船が往来し15分で行く事が出来ます。ただし普通に自動車で行く場合には大きく迂回してかなり上流に在る橋を渡り行く必要があり、少なくとも1時間は掛かります。

迂回して行くしかない

アスンシオンの中心部は駐車場のスペースが乏しく再開発もほとんど進んでいませんが、パラグアイ川に橋を架けて広大な反対側の土地をしっかりと区画整理を行い活用すれば簡単に解決出来ると思うのですがそのような話は余り聞きません。もうかなり以前になりますが台湾政府が市内のエスタードス・ウニードス通りを延長して橋を架けて向かい側まで延長する計画を立て、確か起工式まで行ったと思いますがその後は立ち消えになりました。

アスンシオン市内・大統領官邸から一番近いアルゼンチン領はパラグアイ・ナナワ市とアルゼンチン・クロリンダ市の国境です。計測しますと5.34キロです、一方ここまで自動車で行くとなりますと大きく迂回して既存の端を渡り一時間以上かかります。

大統領官邸から国境まで直線で

このような対岸の開発が進まない原因としてはパラグアイ、アルゼンチン両国の思惑があるのかも知れません。通貨の変動もあり、両国の相対的な物価は何時も変動しており、簡単に行く事が出来るようになりますと安い方で消費するという事が起き、両国とも経済が不安定化する恐れがあります。国防の問題も大きいでしょう、どのように首都を守るのかは大きな課題であると思います。また国境ではアルゼンチンからは玉ねぎ、にんにくなどの農作物、パラグアイからは電化製品や衣類・雑貨等が取引されていますが、橋を架けて交流が増えればこのような国境貿易(要するに密輸)が一段と増える事が懸念され、歯止めがかからないと考えているのでしょう。両国とも地理的には近いのですが遠い存在で居たいと思っているように見えます。

またパラグアイ川沿いのアスンシオン-アルベルディ間の自動車道路整備舗装はまだ完了していないという話も聞きます。途中のアスンシオン郊外ビジェタまでは数回行きましたが、以前は舗装では無かった道がかなり良くはなっています。ただし、アルベルディに向かうまで真っ直ぐでは無くかなり面倒です。ピラール-アルベルディ間はもっと曲がりくねっていて途中に川がありますがそこにはどうやら橋が無いようです。曲がりくねっているのは物理的な問題では無く、どうやら私有地が障害になっているようです。アスンシオン市街地からアルベルディを経てピラールに向かう直線的な道路が整備されるのはまだ先のようです。

アルベルディ-フォルモサの架橋に関しては1967年7月に両国で建設に関して調印が行われ、その後たびたび話し合いは行われるものの全く進んでいません。アブド次期大統領も昨年2018年の3月、選挙運動でネエンブク県を訪問した際にアルゼンチンとの国際橋はパラナ川に在るサンロケ・ゴンサレス・デ・サンタクルス橋(エンカルナシオン-ポサーダス)以来建設が行われておらず、早急にピラール-プエルト・カノ、そしてアルベルディ-フォルモサの2本の道路を建設しなければならないと述べています。

それでもメルコスール内の移動をEUのように自由化すればメリットは大きいと思っています。アスンシオンに近い地域はアルゼンチン領も含めて多くの投資が行われて一気に活性化し、長い目で見ればパラグアイにとってもアルゼンチンにとっても橋を架けてアスンシオンの対岸を活性化する事は大きなメリットがあると思っています。

返信する

メールアドレスが公開されることはありません。

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。